STORY

プロジェクトストーリー3

何十年もの風雨に耐える
UTK製品の寿命を、もっと長く。

角谷 真也/技術部/2011年入社

大学は地球環境系の学科。鉄の加工も表面処理も、「専門分野外のためわけもわからない状態だったのが、徐々にやっていることの意味を理解し、先輩に提案や意見が言えるようになってきた」と手応えを感じ始めている。

新しい表面処理方法を研究開発

技術部は製品の設計や試験を行う部署ですが、私はそれらの業務に加えて、先輩と2人で新しい加工方法の研究開発にも取り組んでいます。まだ詳しくは明かせないのですが、簡単に言うと、表面処理の新技術です。

UTKの製品は屋外で使われるものが多く、耐久性を持たせるための亜鉛めっき加工を自社で行っています。しかし、ボルトと製品本体とで大きさが異なるため、めっきの着き方が違い、耐久性にも差が出てしまいます。どちらかが錆びてしまったら、交換が必要。そこで両者の寿命を同程度にし、全体の寿命を延ばすような、新しい表面処理の方法を模索しています。鉄の試験片に処理を施しては、密着性や外観、手で触れたときに引っかかってケガの原因になるザラつきの有無など、表面状態を顕微鏡で分析。現状の処理と比べてどの程度すぐれているのかを検証しています。

目標は、理想的な表面状態になると同時に、使用する材料も少なくてすむ、できるだけシンプルな表面処理技術。コストダウンと環境への貢献にもつながる方法です。

加工がシンプルなら検査もしやすい

開発と言っても、むしろ研究段階に近く、完成までは、まだまだ長い道のりです。耐久性を確かめるにしても、擬似的に時間を早める試験方法はあるものの、何十年も持つかどうかは、実際に同じ時間が経ってみないとわかりません。そのためずっとかかりきりではなく、ときにはお客様から依頼された製品の試験を手伝いながら、長期的計画で取り組んでいます。

私がUTKに入社して最初に配属されたのは、製品の検査や評価を行う品質管理部門、つまり、モノづくりの最後の砦です。現在の研究開発は、それとはまったく逆の、モノづくりの最初の段階です。シンプルな加工方法を開発できれば、最終工程の検査や評価もしやすくなるはず。両方を知る立場として、その実現をめざします。

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