STORY

プロジェクトストーリー5

金型にベッタリ貼りつく材料に苦戦。
攻略のカギは「風」にあった!

江口 雅人/製造部 鍛造班/2011年入社

良品をつくるための試行錯誤に加え、「楽になるための工夫」が好き。「残業を減らしたい!」と、ほかの人が両手で行っていた作業を片手でやる方法を提案し、1時間の生産量を380個から1000個まで向上させた実績もある。

やっと慣れた時期に、試練の製品

UTKのさまざまな製造工程の中でも、最も歴史ある「鍛造工程」を担当しています。1270℃まで熱した鉄の丸棒を、エアドロップハンマーという機械で叩いて鍛え、熱間プレス機で製品の形に整える工程です。

入社4年目、やっと作業に慣れた頃、この工程で自動車部品を製造することになりました。材料の丸棒が、日ごろ製造している製品より太くて重く、つかむための道具と合わせて4㎏ほどもあります。10数秒ごとに1本流れてくるのを、休みなく機械にかけなければなりません。しかも品質にシビアで、ほんのちょっとのヘコみができてもNG。乱暴に扱うことは許されません。ただでさえ丸棒が発する熱で暑い中、体力も神経も使うキツい毎日でしたが、先輩方も気遣ってくれて、自分自身に「これは筋トレ!」と言い聞かせ、乗り越えました。

誰にでもできる仕事じゃないと思える

実は体力以上に苦労したのは、加工そのものでした。丸棒の表面が、ハンマーの金型に貼りついてしまうんです。置く位置のわずかなズレや温度、タイミングなど、いくつもの要素が関係していて、すぐには解決できませんでした。あれこれ試した結果、最後には横から吹き込むエアをうまく入れてやれば、貼りつきを減らせることを発見しました。先輩たちも上下に関係なく、「どうやった?」と聞いてくれて、説明できるようになった自分の成長を感じました。

社内の他の工程とは違って、この工程は「作業者」と「職人」の境目のような仕事。つねに気を抜かずあちこちに目を配り、音を聞かなくてはなりません。それでも続けるうちに、何万回も動いているハンマーのボルトやナットの緩みに音の変化で気づいて、トラブルを未然に防げるようになりました。考えることがいくつもあって、誰にでもできるわけじゃないと思える仕事だからこそ、こんな成長を味わえます。

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